単層カーボンナノチューブ(単層CNT)は、直径1 nm前後の1次元ナノ材料で、多様な応用が期待されている。金属ナノ粒子を触媒に用いた化学気相成長(CVD)法が主流の合成法だが、数万円/gと非常に高価で実用化していない。本研究では、カーボンブラックやフラーレンの量産に実績がある火炎合成法により単層CNT合成に挑んだ。予混合火炎によりフェロセンを瞬時に熱分解して鉄蒸気を発生、硫黄を含むアルゴンガスと瞬時に混合して1000-1400 ℃に冷却してFe触媒粒子を核生成し、予熱したメタンガスと混合してCVDを行う独自設計により、単層CNTの合成を実現した。
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