研究課題/領域番号 |
25630366
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
和田 健司 香川大学, 医学部, 教授 (10243049)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 格子欠陥 / グリーンケミストリー / イリジウム / 酸化セリウム / 酸化チタン |
研究概要 |
本研究では、欠陥導入型の金属酸化物と金属種あるいは有機物質間の特異な相互作用を活かした新規固体触媒の開発を実施した。特に本年度は、o-フェニレンジアミン類と第一級アルコールからの脱水素型ベンズイミダゾール類の合成反応に有効な担持イリジウム触媒を開発した。本触媒の活性は顕著に担体に依存し、酸化チタン担持触媒が特に有効であった。従来の金属錯体触媒では200℃以上の高い反応温度を要するのに対し、本触媒を用いた場合には120℃程度で円滑に反応が進行することが特徴的である。詳細な還元処理温度・時間等の前処理および反応条件の影響の検討によって、本反応はアルコールからの脱水素によるアルデヒド生成を経由する反応機構に依って進行することが判明した。さらにXANES等の分光学的手段によって触媒活性とイリジウム種の還元状態の相関を明らかにした。さらに、格子欠陥を豊富に有する希土類鉄複合酸化物を合成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脱水素型ベンズイミダゾール類の合成に有効なイリジウム触媒を開発し、分光学的手段によって最適なイリジウム種の状態を明らかにし、格子欠陥を豊富に有する鉄系複合酸化物を調製する等、交付申請書記載の研究計画に沿っておおむね順調に進捗している
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、種々の含窒素有機化合物合成反応に有効な触媒開発を実施する。特に、担体の欠陥構造の評価と機能発現メカニズムの解明に注力する。さらに、光析出法による欠陥導入型金属酸化物担持触媒の調製、および本触媒の炭化水素のC-H結合の活性化を伴う反応等への展開を図る
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次年度の研究費の使用計画 |
当初想定より実験に要する消耗品費および機器修理費等が増大する一方、謝金支出を見直した結果、総支出が当初予定をやや下回った。 次年度請求額と併せて、特に有機合成実験に必要な消耗品費として活用する。
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