界面活性剤の皮膚刺激評価法に動物実験(ドレイズ試験)があるが、代替法の開発が望まれる。リポソームに界面活性剤を添加することで起きる、膜ダイナミクスを解析し、皮膚刺激性の関係を考察した。高刺激性界面活性剤ではリポソームが膜揺らぎを経て膜陥入した後に、膜孔を形成するダイナミクスを観察した。低刺激性界面活性剤では膜揺らぎを経て破裂するダイナミクスを観察した。刺激が起こるメカニズムについて分子レベルで考察し、ダイナミクスの背景、そして皮膚刺激の背景には、膜断面積の増減、フリップフロップが関係していると考え、分子レベルでのモデルを構築した。リポソームの膜ダイナミクスは、代替法の有力候補である。
|