研究課題/領域番号 |
25630382
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒田 章夫 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (50205241)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 亜リン酸 / ptxD / シロイヌナズナ / 組換え / リン肥料 |
研究概要 |
シロイヌナズナにptxD 遺伝子を導入するため、宿主植物の染色体内に転移可能なDNA領域を備えるTiプラスミドにRalstonia sp. 4506株のptxD及びPseudomonas stutzeri由来ptxDをクローニングし、アグロバクテリウム属細菌を用いて導入した。その結果、Ralstonia sp. 4506株のptxDよりもPseudomonas stutzeri由来ptxDを導入したシロイヌナズナの方が、亜リン酸の資化性が優れていることが分かった。Pseudomonas stutzeri由来ptxDを導入したシロイヌナズナでは、亜リン酸をリン源とするMS培地で、十分な生育がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り、亜リン酸をリン源とする培地で生育するシロイヌナズナ組換え体が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
亜リン酸デヒドロゲナーゼは補酵素としてNAD+を要求する。植物内ではNAD+よりもNADP+の方が多く(炭酸固定にNADPHを利用するため)、亜リン酸資化性を高めるためには、NADP+を利用できる亜リン酸デヒドロゲナーゼを作り出す必要がある。α-hydroxysteroid dehydrogenaseに於いて、42番目のアスパラギン酸がNAD+の認識を行っていることがわかっている。このアスパラギン酸をアラニンに変換することにより、NAD依存性酵素をNADPが使える様になることが報告されている。PtxDの構造にも相当するアスパラギン酸が存在することから、アミノ酸置換することで、NADP+依存型亜リン酸デヒドロゲナーゼを作り出す。
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