バイオマス由来の炭材を原料とする水素のこれまでの製造方法においては,20気圧以上の高圧,1000℃以上の高温,高価な触媒が必要であり,常圧下,低温化,廉価な触媒の探索が望まれている. そこで本研究では,微細化と綿密混合を同時に達成できるメカノケミカル法により,炭材に水酸化カルシウムと水酸化ニッケルを混合した試料を作製し,その試料を水蒸気雰囲気で加熱した. その結果,比較的廉価な水酸化物をガス化剤と触媒を用いて,かつ常圧下で水素を製造する方法に成功した.また,その時の反応温度は従来より400℃以上低い,600℃と大幅に低減することに成功した.
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