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2014 年度 実績報告書

バイオ燃料の生産に向けた未利用栄養塩利用での藻類の培養と油生産促進技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630412
研究機関広島大学

研究代表者

中井 智司  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80313295)

研究分担者 西嶋 渉  広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード緑藻 / 藍藻 / 油生産 / 消化汚泥脱離液 / 下水二次処理水 / 畜産排水
研究実績の概要

幅広い塩分濃度で増殖でき,かつアンモニア態窒素に対する耐性を有する藻類株を見いだし,藻類培養への消化汚泥脱離液の利用性可能性を評価した.藍藻類A,緑藻類B,C,D,珪藻類Eの5株の塩分耐性を試験した結果,0.2‰~30.6‰においてA株及びB株の最大増殖量と脂質生産量は塩分による影響を受けないこと,それらの比増殖速度は1.4 d-1であった.さらに窒素源をNH4Clとした改変f/2培地を用いてA株のアンモニア耐性を評価した結果,両株ともアンモニア態窒素濃度0.9~57.6 mMで増殖でき,14.4 mMのときに増殖量が最大となった.さらに、両株は下水二次処理水で希釈した消化汚泥脱離液において増殖し,脂質を生産した.しかし、海水は希釈水として不適であった。また,消化汚泥脱離液にはA株の増殖を低下させる因子が含まれた.アンモニア態窒素濃度3.6 mMとなるように下水二次処理水を用いて希釈した消化汚泥脱離液での最大増殖量,脂質生産量は同アンモニア態窒素濃度とした人工培地よりも高かった.また、B株については細胞の肥大化も認められた。細胞の一方、牛舎排水、豚舎排水処理水、製パン工場の排水を用いてB株の培養を試みた結果、製パン工場では窒素源が不足していたため良好な増殖は見られなかったが、牛舎、豚舎排水処理水での増殖量は人工培地を上回った。特に下水二次処理水を用いて希釈した消化汚泥脱離液や牛舎排水にはB株の増殖を促進する物質が含まれることが示された。さらに、2日毎に2 g/LのNaHCO3を加えることで、脂質生産量は増加することが確認された。なお、アンモニア態窒素濃度3.6 mMとなるように下水二次処理水を用いて希釈した消化汚泥脱離液での培養終了時にアンモニア態窒素やリン酸態リン濃度を分析した結果、これらは検出されず、栄養塩の除去も確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 高濃度のアンモニア態窒素を含むメタン発酵 消化液を用いた油生産藻類の培養2014

    • 著者名/発表者名
      中井 智司、奥田哲士、西嶋 渉、大野正貴、松本光史
    • 雑誌名

      土木学会論文集G(環境)

      巻: 70 ページ: 493-499

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 排水を用いた藻類の培養による有用物質の生産2015

    • 著者名/発表者名
      中井智司
    • 学会等名
      化学工学会 三重コロキウム
    • 発表場所
      三重県津市
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-29
  • [学会発表] Oil-producing algal cultivation using an anaerobic digestion effluent.2015

    • 著者名/発表者名
      S. Nakai, T. Okuda, W. Nishijima, M. Matsumoto
    • 学会等名
      The 5th International Conference on Algal Biomass, Biofuels and Bioproducts
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2015-06-08 – 2015-06-11
  • [学会発表] 高濃度のアンモニア態窒素を含むメタン発酵 消化液を用いた油生産藻類の培養2014

    • 著者名/発表者名
      中井 智司、奥田哲士、西嶋 渉、大野正貴、松本光史
    • 学会等名
      第51回環境工学研究フォーラム
    • 発表場所
      山梨県甲府市
    • 年月日
      2014-12-20 – 2014-12-22
  • [学会発表] Lipid production by cultivating a green alga strain C in wastewater containing ammonium nitrogen.2014

    • 著者名/発表者名
      S. Nakai, N. Itamura, T. Okuda, W. Nishijima, M. Matsumoto
    • 学会等名
      The 4th International Conference on Algal Biomass, Biofuels and Bioproducts
    • 発表場所
      Santa Fe, USA
    • 年月日
      2014-06-15 – 2014-06-18

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公開日: 2016-06-01  

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