研究課題/領域番号 |
25630413
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安原 英明 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70432797)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | プロパント / 続成作用 / 透水特性 |
研究概要 |
本研究では,水圧破砕時のプロパントの性能評価を目的とし,Ottawa sand,CARBOLITEを用いた透水試験を実施した.具体的には,Ottawa sand,CARBOLITE自体の粒状体供試体およびこれらのプロパントを幌延泥岩で挟んだ岩石挟持供試体を対象とし,拘束圧・温度制御下における等方圧保持・透水試験を実施し,透水性の経時変化を観察した.粒状体透水試験では,20℃条件において透過率の上下変動が見られたが,減少傾向は確認できなかった.90℃条件に移行した際には,1オーダー以上透過率が減少し再び透過率の上下変動が見られた.これより,Ottawa sandの温度変化による続成作用の促進が確認できた.Ottawa sandの岩石挟持透水試験では,20℃条件において透過率の大きな変化は見られなかったが,90℃条件では単調に減少している傾向が確認された. また,透水性変化に影響を及ぼす鉱物溶解等の地化学現象を,透過水の物質濃度を計測することで評価した.さらに粒状体透水試験では,等方圧保持・透水試験終了後のOttawa sandを用いて鉱物分析,微視構造分析を実施し,拘束圧,温度,鉱物溶解条件が供試体に与える影響について調査した.SEM画像では,実験後のOttawa sandに対して削れたような形跡や粒子表面に貫入後のような凹みが確認できた.これは,石英の溶解ステップおよび続成作用による粒子の相互貫入によるものと考えられ透過率低下の傍証と判断できる.またEDX観察では,SiとOが検出されX線回折分析の結果と調和的であった.最後に,圧力溶解モデルによる本実験の再現解析を実施し,解析モデルの有用性を検討すると共に,実験期間よりもより長期間の予察解析も行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では,実験準備および透水試験を実施する予定であったが,その通り,透水試験を様々な条件で実施することができた.ただし,実験結果の再現性を確認することができておらず,H26年度は更なる条件で透水試験を実施すると共に,実験結果の再現性についても評価する必要がある. また,岩石分析については,当初の計画通り進捗した.
|
今後の研究の推進方策 |
H26年以降は,様々な境界条件で実験を実施することによって精度の高い実験結果を収集すると共に,実験結果のメカニズムを精査する.さらに,実験結果を再現可能な解析モデルを構築し,解析モデルの有用性を検討する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
購入を予定していた物品(ウレアーゼ)が不良であったため,H26年度に購入を実施することに決めたため H25年度購入予定の物品(ウレアーゼ)を購入するとともに,H26年度予算を予定通り消化する.
|