研究課題/領域番号 |
25630416
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
尾原 祐三 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50135315)
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研究分担者 |
石井 建樹 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60400280)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 岩石破壊力学 / 破壊靱性試験 / マイクロ岩石試験片 / 微視的破壊靱性 / 巨視的破壊靱性 / 有限被膜法 |
研究概要 |
研究代表者:尾原が中心となって、つぎの5つの項目について研究を遂行した。 ①マイクロ岩石試験片用破壊靱性試験装置の製作:金属材料のマイクロ材料試験装置のノウハウを用いて岩石に適した破壊靱性試験装置を改良し、十分な測定精度を持つ試験装置を完成させた。 ②マイクロ試験片の製作技術の開発:岩石試験片を磨き上げた3×3×7mmの直方体岩石の表面に金属を蒸着させて集束イオンビーム加工を行った後、製作する。また、この操作のなかで、薄片加工技術、金属蒸着技術を開発するなど、集束イオンビーム加工機を用いたマイクロ岩石試験片製作のノウハウを獲得し、数十マイクロメートルスケールの試験片製作が可能となった。 ③岩石組成物質の破壊靭性試験:花崗岩を構成する鉱物のうち、石英、斜長石、カリ長石の鉱物粒子内にマイクロ試験片を製作し、完成したマイクロ岩石試験片用破壊靱性試験装置を用いて破壊靱性試験を実施した。試験片を全部で6個製作したが、そのうち最初の1個は装置の不具合があったため実験は失敗したが、その不具合は解決し、5個の試験片の微視的破壊靱性を求めることができた。 ④岩石の破壊靱性試験:花崗岩や砂岩供試体(75mm半径)を用いた破壊靱性試験(SCB試験)を実施し、巨視的破壊靱性を評価した。 ⑤有限被膜法による破壊進展解析:き裂を含むSCB試験用供試体モデルを作成し、き裂の配向方向によって破壊面の凹凸の程度が変化する現象を解析することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ試験片の製作技術のノウハウを獲得するまでの期間が予想以上に短く、試験片の製作がスムースになり、試験本数が当初の予定より多くなった。しかし、製作のための集束イオンビーム加工機は全学共同利用装置であるため、試験片製作時間の確保が制限されている。 有限被膜法による破壊進展解析では、き裂が配向しているモデルによる解析は終了し、鉱物粒子で構成されているモデルを作成し、その解析に年度内から着手している。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の計画通りに研究が進んでいるので、今年度も計画とおりに進めていく予定である。有限被膜法による破壊進展解析はさらに複雑なモデルを用いた解析を実施し、その成果を国際会議で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度、他の経費でマイクロ材料試験機をほぼ完成させた。この完成後に実際に装置を稼働させながら本経費でさらなる改良を加えたり、必要な器具や測定装置を購入することとしたため、経費を次年度に繰り越した。 次年度、マイクロ材料試験機にさらなる改良を加えたり、必要な改良や測定機器を購入し装置を完成させる予定であり、経費は次年度末までに使用を完了する。
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