研究課題
挑戦的萌芽研究
反磁性効果によりTFC(トロイダル磁場コイル)に誘起される微小な電圧および電流を種々の方法で測定および解析する。平成25年度前期実験では、TFC電源を通常のように定電流制御している状態で誘起電圧を測定した。サイリスタの位相制御、GTO(ゲートターンオフサイリスタ)のPWM(パルス幅変調)制御などパワーエレクトロニクスに起因する、定格電圧の10分の1程度の大きなリップル電圧の中の1万分の1程度以下の反磁性誘起電圧信号を抽出する必要がある。次に、TFC電源を定電圧制御モードで運転できるようにしてから、TFCへの誘導電流を測定する。TFC電源電流は現在のところ、ホール素子を用いたDCCT(直流変流器)で測定している。この場合も1万分の1程度の信号を抽出する必要がある。光CT(変流器)の場合は光ファイバ中を伝搬する電磁波の偏波面が進行方向の磁界により回転するファラデー効果を利用する。ロゴスキーコイルの場合のように時間積分する必要がない点が利点である。光ファイバをTFC給電ブスバーの回りに100回以上巻くことにより1万以上のダイナミックレンジを確保することが可能である。反磁性効果による微小な誘導電流成分を抽出するためには、ファラデー効果の感度であるベルデ定数が温度変化にてドリフトしないようにTFC給電ブスバーからの熱絶縁、周囲温度の恒温化が必要である。ファラデー回転の計測には光ファイバの形状が温度、振動により変化しても検出誤差とならず、光ファイバとの相性が良いサニャック干渉法を適用する計画である。平成25年度後期はファラデー回転の計測ができる最低限の光学機器(SLD光源、偏光子、光ファイバ、パワーメータ)にてTFC電流を実環境で計測する準備をした。
3: やや遅れている
ファラデー回転を測定するファイバー光学回路の光源として使用するSLD(スーパールミネセントダイオード)電源の仕様が1550 nm, 22 mWであり、3Bレーザークラスの安全対策が必要である。SLD電源自身にはキー付き電源スイッチなどのインターロックが設けられている。実験者用のレーザー保護眼鏡も購入した。しかし、実験者以外の人のための安全対策が必要であることが分り、その対策のため、やや遅れている。実験中のパトライトを点灯させたり、実験者以外の人が実験室に入室した場合にSLD電源をオフする安全対策のためである。
TFC電源を定電圧制御モードで運転できるようにしてから、TFCへの誘導電流を測定する。TFC電源電流は現在のところ、ホール素子を用いたDCCTで測定している。この場合も1万分の1程度の信号を抽出する必要がある。光CTの場合は光ファイバ中を伝搬する電磁波の偏波面が進行方向の磁界により回転するファラデー効果を利用する。ロゴスキーコイルの場合のように時間積分する必要がない点が利点である。光ファイバをTFC給電ブスバーの回りに100回以上巻くことにより1万以上のダイナミックレンジを確保することが可能である。反磁性効果による微小な誘導電流成分を抽出するためには、ファラデー効果の感度であるベルデ定数が温度変化にてドリフトしないようにTFC給電ブスバーからの熱絶縁、周囲温度の恒温化が必要である。ファラデー回転の計測には光ファイバの形状が温度、振動により変化しても検出誤差とならず、光ファイバとの相性が良いサニャック干渉法を適用する計画である。平成26年度はファラデー回転の計測ができる最低限の光学機器(SLD光源、偏光子、光ファイバ、パワーメータ)にてTFC電流を実環境で計測する予定である。次に、光CT計測回路については、サニャック干渉法にてモデルコイルの電流測定試験ができるよう、光学機器の購入を進める。光CT計測回路全体の組立て、調整、試験を実施する。
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