研究課題
核融合プラズマの自己燃焼維持と性能向上のために,DT核融合反応の元となる燃料イオン比計測は必須である.核融合プラズマ中のD,T,α粒子の燃料イオン比計測は,分光計測や中性子計測などが提案されている.高放射線環境のためその計測可能性が懸念されている.そこで我々は耐放射線性を有するミリ波協同トムソン散乱(Collective Thomson Scattering:CTS)計測を応用した燃料イオン比計測を新たに提案する.この燃料比計測には2パターン(スペクトル解析もしくはイオンBernstein波計測)を考えている.いずれの場合もこれまでCTS計測により得られた散乱スペクトルの周波数分解能を従来の周波数分解能から100倍上げることで,より詳細なイオン密度比や温度計測を行えるようになる.H25年度は高速デジタイザを導入することで分解能の良い受信システムを開発し,高周波数分解散乱スペクトルの取得に成功した.H26年度は,プローブビームと受信ビームの差ベクトルとなる波数ベクトルkが,磁場となす角度を大きく変化できるように,送受信アンテナの取り付け位置変更と改良を行った.プラズマ中のイオンBernstein波様の波動を検出することに成功した.励起波動の周波数から,イオン種とイオン比を得られることが予想される.理論上説明できる波動とそうでない波動が観測されており,今後さまざまなパラメータで実験と解析行う必要があると分かった.また,通常のCTSスペクトルも計測できており,合わせて解析を進めている.
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Nuclear Fusion
巻: 55 ページ: 013002,1-10
10.1088/0029-5515/55/1/013002
Review of Scientific Instruments
巻: 85 ページ: 11E811,1-3
10.1063/1.4891044
http://www.ppl.k.u-tokyo.ac.jp/