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2013 年度 実施状況報告書

超放射を利用したサブナノ秒超高速シンチレータ開発

研究課題

研究課題/領域番号 25630426
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

浅井 圭介  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231859)

研究分担者 越水 正典  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40374962)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード超放射 / シンチレータ / 有機結晶 / テトラセン
研究概要

今年度には、いくつかのπ電子系分子について、光学特性やシンチレーション特性評価が可能なサイズの単結晶育成に成功した。単結晶の育成は、各種の有機溶媒中で行った。溶媒蒸発による方法、温度低下による手法、あるいは貧溶媒拡散法により結晶を育成した。
今年度に対称とした分子は、テトラセン、ペンタセン、およびシアニン色素である。これらの単結晶として、mmサイズ以上のものが得られた。これにより、光学特性やシンチレーション特性の解析が可能となった。また、比較のために、アントラセンについても、同様の手法にて単結晶育成を行った。
テトラセン結晶については、短パルス電子線を用いたシンチレーション減衰挙動の解析を行い、そのシンチレーション減衰時定数を求めることに成功した。さらに、シンチレーション減衰時定数を、10K~室温の範囲で、温度の関数として求めることにも成功した。温度の低下と共に、シンチレーション減衰時定数は大きくなった。このことは、熱活性による消光過程の存在を示唆している。ペンタセン結晶、あるいはシアニン色素結晶でも、同様の結果が得られた。
また、アントラセン結晶についても同様に、減衰時定数の温度依存性を取得した。その結果、温度低下に伴い、減衰時定数は小さくなった。
アントラセンの場合と、テトラセンやペンタセンなどの結晶との場合とで、異なる温度依存性が生じた理由は、現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調と判断した理由は、次の2点にある。
1点は、テトラセンやペンタセンの単結晶育成に成功したことである。今後も同様の物質系を対象とするため、初年度に単結晶育成手法を確立する必要があった。この課題を順調に達成できたことは、来年度の研究開発がスムーズにスタートできることを意味する。
2点目は、シンチレーション減衰挙動を、特に低温域で取得することができた点である。この情報を基に、超放射過程の関与の有無を調査することが可能となると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成26年度には、光励起による蛍光の減衰挙動と、電子線やX線励起によるシンチレーションの減衰挙動とを定量的に比較する。特に、10K~室温程度の範囲における、減衰挙動の温度依存性を詳細に解析し、光励起と放射線励起の場合とで比較検討することにより、放射線励起の場合の超放射過程の関与の有無を議論する。

次年度の研究費の使用計画

3月の出張旅費についての支払いが4月となったため。
4月に出張旅費として支出される。

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公開日: 2015-05-28  

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