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2013 年度 実施状況報告書

選択フッ化および溶融塩電解法を用いた燃料デブリの処理

研究課題

研究課題/領域番号 25630429
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京工業大学

研究代表者

松浦 治明  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (70262326)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード燃料デブリ / 選択フッ化 / 溶融塩電解 / 酸化ジルコニウム / 酸化ウラン
研究概要

福島第一原子力発電所の炉心溶融に伴い生成した燃料デブリをいかに取りだし安定化させるかは廃炉に向けた重要なプロセスのうちの一つであり、我々はその方法に乾式法の適用を検討し、選択フッ化と溶融塩電解を組み合わせることで、2次廃棄物生成量の少ないプロセスの提案を試みている。燃料デブリに含まれる酸化物のフッ化挙動については、フッ化物揮発法の開発により多くの元素について情報があるが、ZrO2を含む混合物のフッ化に関する情報は明らかに不足している。本年度は燃料デブリの主成分であるZrO2およびU3O8ならびにそれらの固溶体のフッ化挙動について精査するためF2またはHFガスを用いて種々の温度条件下でフッ化実験を行った。試験は全て管理区域中でF2やHFガスを安全に使用できるよう、東北大学多元物質科学研究所のホットラボのドラフトチャンバー内にガス配管設備を構築し実施した。はじめにF2ガスを用いたZrO2のフッ化を種々の温度条件およびガス導入時間を替えて実施した。He+F2(5%) 20 ml/min流量下700 oCでは1時間反応させるだけで試料容器内残留物が重量減少し、ZrF4として揮発の可能性が認められた。試験した条件の中で、揮発させずに一番効率良くフッ化が行えた条件は、500 oC、2時間であった。次にHFガスを用いてZrO2のフッ化を行ったところ、HF 20 ml/min+Ar 30 ml/min流量下、600 oCで2時間の条件下でも重量減少し、こちらも試験した条件の中で揮発を抑制しながらフッ化が行えた温度は500 oCであった。実際の燃料デブリにはウランも含まれており、酸化性のF2を使用すると300 oCでUF6として揮発し始めることが分かっているので、燃料デブリを対象として揮発を抑えながらフッ化させるプロセスには還元性のHFを使用する方が適切であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フッ化器を一から組み上げる必要に迫られた割には多様の条件にてフッ化試験を行うことが出来た。

今後の研究の推進方策

来年度はZrとUの比を換えた種々の固溶体のフッ化挙動について精査を継続するとともに、フッ化物浴を用いた電解試験を東京工業大学でZrについて、年度後半に東北大学にてUを使った試験を行う。原子力学会や溶融塩化学討論会等により成果公開に努める。

次年度の研究費の使用計画

当初計画通り平成26年度では、燃料デブリの溶融塩への溶解挙動評価および溶融塩電解試験を実施する予定だが、一部前年度予定していたフッ化の試験が未消化になったため次年度使用額が生じた。
東北大学多元物質科学研究所にて、本年度未実行のZrO2とU2O3との(9:1,1:1,1:9)固溶体のフッ化実験を継続する。また、Zr含有フッ化物浴における電気化学計測を東京工業大学にて実施しその経験を活かしてU含有フッ化物浴における電気化学計測を東北大学多元研にて実施する。また酸化物のフッ化物への溶解挙動について、示差走査熱分析装置および広域X線吸収微細構造法を用い複合的に解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 選択フッ化および溶融塩電解法を用いた燃料デブリの処理 (1) 酸化ジルコニウムのフッ化挙動2014

    • 著者名/発表者名
      松浦治明、根津篤、赤塚洋、佐藤修彰
    • 学会等名
      日本原子力学会2014年春の年会
    • 発表場所
      東京都市大学
    • 年月日
      20140326-20140328

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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