福島第一原子力発電所事故により生じた燃料デブリの安定化のために、選択フッ化と溶融塩電解を組み合わせたプロセスについてその基本原理を確認するための実験を行った。ウランおよびジルコニウムの酸化物固溶体から、ウランを揮発させずにそれぞれを分離するには、まずフッ化水素ガスを用いて400度以下でフッ化させ、大部分のウランを4塩化ウランに変換し、その後ウランのみをフッ化物溶融塩浴に導入し、電解回収するのがよいことが分かった。ジルコニウムが同時にフッ化されることを抑制するためには、事前に還元処理をして固溶状態を解くよりもむしろ、固溶体のままフッ化させた方がフッ化速度を遅くさせる効果のあることが判明した。
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