本研究課題では,次世代電池のひとつとして期待されている全固体多価イオン金属二次電池への応用を目指し,従来の液系よりも安全であり,取り扱いの簡便な固体電解質の開発を目的とした.(1)イオン液体とヒュームドシリカナノ粒子からなる疑似固体電解質と(2)錯体水素化物固体電解質を開発した.これに加えて,高エネルギー密度化に必要不可欠である硫黄正極と,導電助剤である炭素材料の複合化手法を開発した.モデルとして金属リチウム負極を使用する全固体リチウム硫黄電池を試作しその電池特性を評価したところ,高エネルギー密度で良好な繰り返し特性が得られた.今後は,マグネシウムイオン伝導体を探索し,デバイス化を目指す.
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