本研究はロケットエンジン技術の空気液化サイクルを、現在主流を占めている複合サイクル火力発電システムに組み込むことにより、熱効率の飛躍的な向上を試みることを目的としている。液化コストの問題を解決する新しいシステムを考案し、このシステムの数理モデルを作成、シミュレーションを実施した。提案するシステムでは、燃料をLNGから液化水素に置き換えるとともに、液体水素の冷熱を利用して空気中の酸素を液化する空気液化サイクルを付加する。それぞれの方式における圧縮比等を適切に設定することにより、統合システムとして最大73%の熱効率を得ることが可能であることが明らかとなった。
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