研究課題/領域番号 |
25640006
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 秀明 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00376534)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会脳 |
研究概要 |
メダカは個体認知に基づく高度な社会性を持つ。例えばメダカのメスは「そばにいたオス」を視覚的に記憶し、その求愛をすぐに受け入れるが、メスは「見知らぬオス」からの求愛を容易には受け入れない。このようにメスメダカは異性を視覚的に識別して記憶する能力を持っており、その能力に基づいて性的パートナーを選択する。また集団採餌の際に、餌場情報を記憶・学習した個体を、未学習の個体が記憶して追従することで採餌効率が上昇する。本年度は、個体認知を介した意思決定に異常が生じるオスの変異体の発見した。野生型オスは異性に対する求愛行動、同性に対する攻撃行動を、「見知った個体」と「見知らぬ個体」を区別せずに同程度に示す。しかしながら、同定した変異体オスは「見知らぬ個体」に対して求愛行動と攻撃行動をほとんどしないことを見いだした。このことから当該変異体は「見知らぬ個体」と「見知った個体」を識別する能力は持っているが、社会的意思決定の過程に異常が生じている可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにGnRH3変異体がメスの配偶者選択に異常が生じることを示した。本年度はメスの配偶者選択に異常が生じる別の変異体を同定するとともに、個体認知を介した意思決定に異常が生じるオスの変異体の発見した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は条件的遺伝子操作法を用いて、脳領域特異的なノックアウトを作製することで、個体認知及び個体認知を介した意思決定に必要な脳領域を検索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在執筆中の論文の英文校正が3月中に終わらなかったため 執筆中の論文の英文校正費として使用する
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