研究課題
昨年度までの解析から、ショウジョウバエにおける音情報の記憶は、単一の神経細胞だけでなく、複数種類の細胞群に分散されてコードされている可能性が示された。そこで最終年度では、高次聴覚経路を形成する神経細胞群を網羅的に同定、解析することで、音の時間パターンを認識する神経回路同定の絞り込みを行った。二次聴覚神経細胞を標識するショウジョウバエGAL4系統群を追加でスクリーニングしたところ、予想に反して、特異的な標識パターンを示す系統はごく少数しか得られなかった。しかしこれらの系統を用いて、特定の二次聴覚神経細胞の機能を阻害した個体の作成は可能であったため、これらについて聴覚行動における阻害効果を解析することにした。まずは野生型において、聴覚記憶行動の時系列変化を解析した結果、聴覚記憶行動は時定数の異なる2つの要素から形成されることを発見した。今後特定の二次聴覚神経細胞の機能を阻害した個体の行動解析を進めることで、音認識機構の成立基盤を解明できることが強く期待される。
すべて 2016 2015
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