ショウジョウバエの聴覚行動実験を大規模に進めるため、画像解析を利用して行動結果を自動で解析できるソフトウェアChaINを開発し、公開した。これを利用して、異なる音への応答行動を定量化した結果、連続音と断続音との切り替わり時に、行動変化が瞬時に起こることがわかった。この瞬時の行動切り替えは、短期記憶の変異体として知られるアデニル酸シクラーゼ欠損個体でも観察された。よって、音の違いを判別する神経機構はアデニル酸シクラーゼに依存しないことが示された。以上、本研究により、音の差を識別する神経機構を解析する優れた実験モデルとして、ショウジョウバエ聴覚系を用いた短期記憶モデルを新たに確立することができた。
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