研究課題
本研究では、PETやMRIなどの生体イメージング法においてマーカーとなる遺伝子を利用し、霊長類の脳にウイルスベクターを用いて導入した外来遺伝子の発現状態をモニターする手法を確立することを第一の目的とする。また、この手法を、研究代表者らが最近開発した、特定の神経路を形成するニューロン群にのみ外来遺伝子を導入する神経路選択的遺伝子操作法に適用し、当該神経路の活動を操作する機能介入の影響を解析する際に、導入したターゲット遺伝子の発現状態をモニターすることによって、遺伝子導入の成否を事前に確認できる手段を提供することを第二の目的とする。さらに、これらの技術を発展させて、RNAi誘導による発現抑制系にも応用できる汎用的システムの構築を目指す。本研究の成果は、ターゲット遺伝子を発現する特定のニューロン群の効率的な生体イメージングを実現する手法として、広く遺伝子治療や再生医療の発展にも貢献できると考える。平成26年度は前年度に開発、改良したレポーターシステムおよびウイルスベクターシステムを利用して、神経路選択的遺伝子導入ベクターシステムへのレポーター遺伝子の導入と最適化を実施し、レポーター遺伝子による発現状態の確認と薬剤導入による特定の神経路への機能介入を同時に実現する実験系の構築に成功した。さらに、イメージング結果と行動学的および組織学的解析結果との相関を調べることにより、本研究で確立した特定のニューロン群におけるターゲット遺伝子発現の機能的生体イメージング手法の有用性が明らかになった。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Anat Rec
巻: 298 ページ: 630-636
10.1002/ar.23100
PLoS ONE
巻: 9 ページ: e111867
10.1371/journal.pone.0111867
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/sections/systems_neuroscience/index.html