我々は、発生段階依存的な神経幹細胞の分化様式について、特にエピジェネティック制御の観点から、分子メカニズムを解析している。ところで、胎生動物の脳内は一般的に低酸素状態にある。そこで、ヒストン脱メチル化酵素群の中でも、その酵素活性が細胞内の酸素濃度によって制御されるJmjCファミリー遺伝子群に着目、解析を行った。その結果、JmjCファミリー遺伝子群の中でも、ヒストンH3K27の脱メチル化酵素であるJMJD3が神経系への分化に伴い発現上昇すること、また神経幹細胞のアストロサイト分化を生体を模した低酸素培養条件下で促進することを見出した。
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