研究課題/領域番号 |
25640029
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
新 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (90452846)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 神経変性疾患 / レビー小体型認知症 |
研究実績の概要 |
研究計画(1)alpha-synucleinリコンビナントタンパクの精製とその2次構造解析 まず6Xヒスチジンタグと融合させたalpha-synucleinの大腸菌発現用ベクターを作製した。その後、大腸菌に遺伝子導入し、発現を誘導した後、alpha-synucleinがSolubule fractionに存在することをWestern blottingにて確認した。Solubule fractionを金属固定化クロマトグラフィー法により目的のalpha-synucleinタンパク質を精製した。その後タグの与える影響を排除するため、TAGZymeによりタグを除去した。精製したalpha-synucleinリコンビナントタンパクの2次構造解析をCD (circular dichroism:円二色性スペクトル)を用いて行い、random coil様の構造をとっていることを確認した。 研究計画(2)alpha-synucleinリコンビナントタンパクを用いたRT-QUIC法(シード依存的異常凝集タンパク高感度増幅法)の確立と形成されたアミロイドフィブリルの構造解析 (1)で精製したalpha-synucleinリコンビナントタンパクを用いてRT-QUIC法(シード依存的異常凝集タンパク高感度増幅法)の条件検討(塩濃度、pH、alpha-synuclein濃度、撹拌時間など)を行った。その結果、シードなしでは反応が起きないが、シードとしてレビー小体型認知症の脳組織のホモジネートとして加えたときのみ、反応が起きる条件を見出した。また電子顕微鏡を用いてRT-QUIC法において生成したフィブリルを観察した。 研究計画(3)RT-QUIC法のレビー小体型認知症の髄液診断法への応用 現在レビー小体型認知症患者由来の髄液とコントロール髄液を用いてRT-QUIC法による検出感度、特異度を測定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画(1)、(2)について数多くの検討を行い、ある程度の見通しが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画にそって本研究を推進する。特に実験計画(3)に力を入れる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究計画がおおむね順調に遂行し、また次年度の研究において比較的費用が必要と思われる研究計画遂行のため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画のうち、特に(3)のRT-QUIC法のレビー小体型認知症の髄液診断法への応用について重点的に行う予定である。
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