長寿遺伝子サーチュイン(SIRT1)の働きを脳で2-3倍程度に高めると、脳卒中が原因となる認知症を予防できるという仮説のもと、脳のサーチュイン量が通常の2-3倍になるよう遺伝子操作したマウスを作成し、頸動脈を狭窄させる(細くする)手術を行って、認知機能の変化を観察した。 普通のマウスでは両側の頸動脈を狭窄させると認知機能の障害(認知症)が起こったが、サーチュインが脳で働くよう操作したマウスでは頸動脈を狭窄させても、認知機能が正常に保たれ、脳血流がほとんど減少しなかった。サーチュインが働くと血管を拡張させる物質(一酸化窒素)を合成する酵素がオンの状態に保たれ、脳血管が拡張したことが原因だった。
|