研究課題
受精から始まる哺乳類の一生において最も劇的な環境変化は「出生」といえるが、出生が脳神経系の発達に及ぼす影響は不明な点が多い。我々は最近、マウス大脳皮質一次体性感覚野での感覚地図形成が、新生仔の出生により制御されることを見いだした。そこで本研究課題では、我々が独自に見出した「出生による脳神経系の成熟の制御」に焦点を絞り、その遺伝子カスケードの解明を目指している。これまでに出生が、神経回路の形成のみならず、哺乳行動の発達も制御していることを見いだした。さらに出生後に発現量が変化する遺伝子のスクリーニングを行い、候補遺伝子群を同定している。現在は、これらの遺伝子機能解析を通じて、出生後に生じる神経細胞の成熟機構の解析を行っている。本研究の成果は、神経回路の形成制御メカニズムの解明と言った基礎神経科学のみならず、ヒトの早産による脳機能障害のメカニズムの理解などの臨床周産期医学や小児科領域にも大きな波及効果を及ぼすなど社会的インパクトも大きい。
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