研究課題/領域番号 |
25640057
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
米川 博通 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 研究員 (30142110)
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研究分担者 |
設楽 浩志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 基盤技術研究職員 (90321885)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 人工ヌクレアーゼ / ミトコンドリア局在型TALEN / モデルマウス / ミトコンドリア病 |
研究概要 |
本研究では、人工ヌクレアーゼの手法を応用することにより、哺乳類においてミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝子操作技術を開発することを目的としている。本年度は、人工ヌクレアーゼとしてはTALEN (transcription activator-like effector nuclease)法を用いて、ミトコンドリア局在型TALENの発現ベクター構築に取り組んだ。まずmtDNA配列上の標的となる領域から候補配列を選定し、TALENの発現ベクターを構築した。さらにTALENsをミトコンドリアに局在させるために、ミトコンドリア移行シグナルの配列をTALENの発現ベクターに導入し、ミトコンドリア局在型TALENの発現ベクターを構築した。作製された本ベクターの細胞内での発現を検証するために、培養細胞に導入し免疫染色による検討を行った。また、TALENがミトコンドリアに局在するかを検証するために、ミトコンドリア局在型TALENの発現ベクターとミトコンドリア局在型蛍光タンパクの発現ベクターを同時に導入し免疫染色と蛍光観察による検討を行った。その結果、目的とするシグナルがミトコンドリアに局在する様子が確認されたが、発現がやや不安定であることが認められたため、ベクターの改変をさらに進めている。また、作製したミトコンドリア局在型TALENの発現ベクターによるmtDNAの標的となる配列の切断効果を検証するために、in vitro transcriptionによるRNA合成を行い、このRNAをマイクロインジェクション法によってマウス初期胚へ導入し、DNA試料を調製した後、PCR法によって目的とした配列を増幅することによって、変異導入の有無などの検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに作製されたミトコンドリア局在型TALENの発現ベクターの発現に不安定な状況が認められたものの、RNAを合成しマウス初期胚へ導入することによって、その機能評価まで進められている。
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今後の研究の推進方策 |
より安定した発現を可能とするように、ミトコンドリア局在型TALENの発現ベクターの改良を行う予定である。またこの新規に構築したベクターを含め、培養細胞やマウス初期胚へ導入しmtDNA切断の機能効果をさらに検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
分子生物学的実験を行なっていて、剰余金が派生した。 剰余金は次年度分と併せ、執行する。
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