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2014 年度 実施状況報告書

可視化システムを用いた膵癌幹細胞の研究とゲノム・エピゲノム解析

研究課題

研究課題/領域番号 25640060
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

伊藤 浩光  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (80645474)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌幹細胞 / 浸潤・転移 / エピゲノム
研究実績の概要

プロテアソーム活性を指標とした膵癌幹細胞の可視化システムを2種類の細胞株(KLM1、BxPC3)に導入し安定した系を樹立した。In vitro とIn vivoの双方で癌幹細胞は遊走・浸潤能が高いことが示された。特にIn vivoにおける経脾肝転移モデルでは、肝転移巣において癌幹細胞は蛍光顕微鏡で明瞭に観察され、腫瘍の辺縁に局在しているという新しい知見が得られた。その特性を見出すためにDNAマイクロアレイを施行し、膵癌幹細胞においてDCLK1が高発現していることを見出した。そこでDCLK1を過剰発現させた株を作成したところアメーバ様の形態変化を生じ遊走能が亢進した。また、RNA干渉を用いて癌幹細胞にDCLK1のノックダウンを行ったところ遊走・浸潤能は著しく低下し、肝転移も抑制された。臨床検体を用いた免疫組織学的検索においても原発巣(膵)と比較して転移巣(肝や肺)ではDCLK1が高発現しており、癌の転移を標的とした臨床への応用が期待された。この遺伝子の高発現がエピゲノムの因子により制御されていると考え、網羅的DNAメチル化解析やクロマチン免疫沈降法を用いたヒストン修飾の実験を行った。メチル化解析では特徴的な変化は認めなかったが、癌幹細胞においてDCLK1のH3K4me3が強く描出された。一方で非癌幹細胞ではH3K4me3とH3K27me3がbivalentな状態にあり、癌幹細胞にもたらされる遺伝子発現はエピゲノムによって制御されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

癌幹細胞の特性をゲノム・エピゲノムの側面から解析し両者の関係性を示すことができたから。

今後の研究の推進方策

上記の結果については現在論文作成中である。その後はChipシークエンスを行い、癌幹細胞におけるエピゲノミック変化をさらに解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりもエピゲノム解析の試薬が安価であったため。
現在、論文作成中であり発表や出版などの費用が生じなかったため。

次年度使用額の使用計画

論文作成と発表・出版に関する経費として充当する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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