研究課題/領域番号 |
25640067
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
清澤 秀孔 高知大学, 医学部, 准教授 (30295422)
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研究分担者 |
近藤 伸二 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30415161)
加藤 英政 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50292123)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 薬剤耐性 / 非コードRNA / アンチセンスRNA / エピジェネティクス / トランスクリプトーム / RNA-seq |
研究実績の概要 |
昨年度作製した薬剤耐性のがん細胞株(DTP、DTEP)由来のRNA-seqの配列解析を行った。もとの細胞はヒト肺腺がん由来細胞株PC9を用い、先行研究を参考にして8-12uM、12日間、抗がん剤gefitinibで処理することにより薬剤下で細胞分裂をほぼ停止した状態の細胞(DTP)を得た。その後更に薬剤下で1ヶ月間培養することによりものとPC9細胞とほぼ同様の分裂能力を有する細胞株(DTEP)を得た。本研究では長鎖の非コードRNAや内在性のアンチセンスRNAなどを含めたトランスクリプトーム解析を目的としているため、ポリAセレクションを行った通常のRNAサンプルと共に、全RNAサンプルの次世代シーケンサーによるRNA-seqを行った。配列解析は各遺伝子座ごとにポリA-RNAと全RNAの割合を比較することによりポリA鎖を有しないRNAが優位となっている遺伝子座の同定を行った。
今年度は細胞分裂能を回復した薬剤耐性株であるDTEPを非薬剤存在下で3ヶ月以上培養することにより再び薬剤感受性となった細胞株(DTEP-RE)を作製した。複数株樹立したがどの株も約90日間、比較剤存在下で培養し、90日を越えた頃、その後数日間のうち急速に薬剤感受性となった。オリジナルのPC9細胞と比べDTP、DTEP特異的に上昇しているマーカーをDETP-RE細胞株でリアルタイムPCRで発現定量したところ、独立に樹立した3株全てにおいて、もとのPC9と同レベルに下がっていた。従ってDTP、DTEPへの変化、及びDTEP-REへの再変化はエピジェネティックな変化であることが我々の研究でも示唆された。
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