研究課題/領域番号 |
25640069
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
折茂 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70275866)
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研究分担者 |
堀本 義哉 順天堂大学, 医学部, 助教 (40424246)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | CAFs / 患者乳癌 / 高度免疫不全マウス / PDX model |
研究実績の概要 |
癌転移は癌患者の死亡率の90%に起因するが、転移発症の予見や有効な治療は困難である。癌転移の分子機構も未だ明らかでない。また実験室内で転移性癌細胞を作り出すことも容易ではない。最近申請者の研究グループは、非転移性の培養乳癌細胞株と癌内線維芽細胞(Carcinoma-associated fibroblasts; CAFs)をマウスに共移植することにより、癌塊内でこの癌細胞をCAFsにより教育し、転移性癌細胞株を樹立することに成功した(未発表)。研究をさらに発展させる為に、申請者は、手術後に摘出される患者由来乳癌組織断片をCAFsとマウスに共移植し、移植された乳癌細胞を抽出することにより、患者由来転移性乳癌細胞を樹立することを目指した。
10例の手術後に摘出された患者乳癌塊を高度免疫不全NOGマウスに皮下移植し、最長1年間癌塊の成長を観察した。10例中一例のみで成長を示したが、新しいNOGマウスへの継代は困難であった。以上の結果より、乳癌を使用したpatient-derived xenogaft (PDX)model の作製およびそのラインの樹立は極めて低頻度に成功することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定通り10例の乳癌患者より提出された癌塊をNOGマウスに皮下移植することに成功した。しかしながら、その移植生着率および増殖率は極めて低値であった。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り10例の乳癌患者より提出された癌塊をNOGマウスに皮下移植することに成功した。しかしながら、癌の増殖が10例中9例にて観察されなかった。
今後はエストロゲンペレットを同時に移植して癌の増殖が改善されるか否かを検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
NOGマウスに移植された患者乳癌の増殖速度が予想以上に遅く、移植後のマウスの観察を 6か月以上延長した故。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に使用しなかった分のマウスを次年度に繰越し利用する。
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