申請研究では、患者個別乳癌の転移モデルマウスを作製し、癌転移の分子機構を解明し、癌転移治療に役立てるため、10症例の患者乳癌をNOGマウスに移植した。後6か月観察し、症例2のみ直径1㎝程度の癌塊に増殖した。しかしながら、新たなNOGマウスに継代したところ増殖が停止した。他の9症例に関しては、移植後より癌の増殖が観察されなかった。従来よりER+乳癌の免疫不全マウスへの生着率は極めて低いことが報告されている。今後は、エストロゲンを投与するとともに、乳腺管腔内への癌細胞の注入法などの移植系の改善が必要である。
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