研究課題/領域番号 |
25640072
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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研究分担者 |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, センター長 (50225918)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 代謝 / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / スプライシング |
研究実績の概要 |
発がん過程においては、細胞のエネルギー代謝系が再プログラム化されることが分かってきた。中でも、解糖系の最終段階を触媒するピルビン酸キナーゼM(PKM)については、ほとんどのがんにおいて、その発現アイソフォームが選択的スプライシングによって変換する(PKMスイッチ)とされている。本研究では、そのようなPKMスプライシングアイソフォームの変換を、マウス個体レベルで、生細胞可視化することを目的に、研究を行った。今年度は、PKMスイッチを細胞自身の蛍光によって検出できるレポーター遺伝子(前年度までに作製済み)を染色体に組込んだトランスジェニックマウスを作製し、発がん実験を施行した。まず、上記トランスジェニックマウスを、発がん型Krasを誘導発現できるノックインマウス(Kras-G12D-LSLマウス)と交配した。得られたマウスに、Creリコンビナーゼを発現するアデノウイルス(Ad-Cre)を気管内投与することで、発がん型Krasの発現を誘導した。Ad-Cre投与により、Kras-G12D-LSLアリル依存的に、上述マウスに短期間で効率よくて肺がんを誘導できた。これら肺がんは、原則的に、SPC陽性の肺腺がんであると考えられた。それら肺がんでは、期待通り、M2型PKMの発現が著しく上昇していた。しかし、蛍光観察では、それに対応するレポーター遺伝子由来の蛍光を検出することができなかった。従って、当初目的のためには、さらなるレポーター遺伝子の改良、あるいはトランスジェニックマウス作製法の変更が必要と思われる。
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