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2013 年度 実施状況報告書

新規がん幹細胞マーカーCD274とその幹細胞性維持機構

研究課題

研究課題/領域番号 25640073
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

椎名 正明  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (50455820)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードCD274 / 胆道癌 / がん幹細胞
研究概要

胆管癌は、放射線・化学療法に抵抗性の高い難治性の癌である。近年、がん組織中のヘテロな細胞集団の中には造腫瘍能・薬物代謝能等が高い「がん幹細胞」が存在するとされている。このがん幹細胞は治療抵抗性をもつと考えられるため、良い治療標的となり得るが、胆管癌におけるがん幹細胞は不明な点が多い。我々は、がん幹細胞に関与する遺伝子を探索するため、胆管癌細胞株を用いて探索を行った。スクリーニングの結果、CD133(-)CD90(-)の分画は、NOGマウスにおける造腫瘍能が有意に高かった。マイクロアレイの結果、この分画ではCD274の発現が低下していることが判明した(3.6倍)。細胞をCD274(+)/(-)で分画し、NOGマウスに接種したところ、CD274(-)分画は著明に造腫瘍能が高かった。Aldefluor活性を比較すると、CD274(-)分画はaldefluor活性が高かった。DCFH-DAを用いてROS産生能を測定すると、CD274(-)分画でROS産生が低下していた。細胞周期を検討すると、CD274(-)分画ではG0/G1分画の比率が著明に高かった。Migration assay, scratch assayではCD274(-)分画において遊走能・移動能が低下していた。CD274をノックダウンすると、造腫瘍能は亢進し、ROS産生能が低下した。胆管癌細胞株においてCD274(-)分画は、がん幹細胞の性格を持つことが明らかになった。細胞周期・Migration/scratch assayの結果から、CD274(-)分画はdormantな状態のがん幹細胞に類似していると考えられた。ノックダウンの結果と合わせ、CD274はがん幹細胞の性格を規定する分子であることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当研究計画の目的である、CD274ががん幹細胞の性質を規定する、という点に関して、細胞株を用いて証明することができ、この研究結果はすでに論文受理された。

今後の研究の推進方策

CD274がいかなるメカニズムでがん幹細胞の性質を規定しているかは、未だ明らかではない。私たちは現在、CD274によって変動する遺伝子を同定し、その機能を明らかにしようと考えている。

次年度の研究費の使用計画

予定していたマイクロアレイが、一旦研究成果をまとめ論文発表するために、延期された。次年度に集中的に行う予定である。
2種類の胆道癌細胞(RBE, HuCCT1)においてCD274をノックダウンし、遺伝子変化の網羅的解析をマイクロアレイ(Agilent, 8x60k)を用いて行う。この結果から、CD274ががん幹細胞の形質維持に関わるメカニズムの解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Suppressive expression of CD274 increases tumorigenesis and cancer stem cell phenotypes in cholangiocarcinoma2014

    • 著者名/発表者名
      K. Tamai, M. Nakamura, M. Mizuma, M. Mochizuki, M. Yokoyama, H. Endo, K. Yamaguchi, T. Nakagawa, M. Shiina, M. Unno, K. Muramoto, I. Sato, K. Satoh, K. Sugamura, N. Tanaka
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 105 ページ: 667-674

    • DOI

      10.1111/cas.12406

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2015-05-28  

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