研究課題/領域番号 |
25640088
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土居 洋文 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (80403335)
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研究分担者 |
杉山 暁 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (40562715)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | テトラマー / モノマー / 巻き戻し / ビオチン結合 / 分子動力学 / シミュレーション / 塩橋 |
研究実績の概要 |
低免疫原性ストレプトアビジンLISA314はテトラマ=であり、野生型ストレプトアビジンと比較して、ビオチオンに対する結合力は若干落ちるものの、Kd値は10のマイナス10乗とビアコア装置での測定限界を超えるほどの強固な数値を示す。このLISA314をベースにモノマー化を試みた。変更箇所はLISA314のテトラマー界面、ダイマー界面における疎水性のアミノ酸をThrもしくはSerの水溶性のアミノ酸に置換した。これは、マルチマー形成時に疎水結合的な様相を示すからである。また、テトラマーのとき、隣のサブユニットに結合したビオチンに蓋をする役目の120TrpをGlyに置換した。これらの変異を導入した遺伝子(Hisタグ付き)を人工的に合成し、巻き戻し手法で大腸菌由来のビオチンを排除してNiカラムで精製してLISA314モノマーを獲得した。ビオチンとの結合力をビアコアを用いて測定したところ、結合力が無くなっていた。 この原因を探るために、モノマー状態での分子動力学計算を行った。スーパーコンピュータFX10を用いたがインターラクティブの計算では動力学のソフトウエアが動くがPCよりも遅く、一方、バッチ処理を試みるとエラーが生じて、使えなかった。そこで、仕方なく、時間はかかるがPCでの分子動力学のシミュレーション計算を進めた。その結果、テトラマー時には塩橋を形成している2アミノ酸間の相互作用が、ビオチン結合に重要であるとの結果を得た。 今後は、モノマーにおけるこの2アミノ酸の変更を行い、ビオチン結合力を測定する。
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