癌化に伴う糖輸送の増加は早期診断法としてPET(陽電子放射線断層診断)にも応用されているが、分子標的治療薬は未開発である。我々はヒト腫瘍細胞を用いた選択的な薬剤スクリーニングより、GSK3β阻害薬(タンパク質リン酸化阻害薬)を見出し、腫瘍特異的な糖輸送タンパク質の発現阻害も明らかにした。GSK3β阻害薬はヒト大腸がん細胞に対しても有効性を示し、ヌードマウスを用いた動物実験でも抗腫瘍効果が確認された。以上の結果より、GSK3β阻害薬はヒト腫瘍に対する新しい分子標的薬となる可能性が示唆された。(特許公開2013)
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