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2014 年度 実施状況報告書

TACC3を標的とした消化管腫瘍に対する分子標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25640094
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

八尾 良司  公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (80291095)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード消化管幹細胞 / Apc / 消化管オルガノイド
研究実績の概要

ゲノムワイドなshRNAを発現するレンチウイルスライブラリーを用いたスクリーニング系の確立を行った。
平成25年度までに作製した8000クローンからなるレンチウイルスを感染した10種類のヒト大腸がん細胞感染プールを用いて、siRNAのトランスフェクションによりTACC3を枯渇させた。その結果、一つのプールから増殖する細胞集団が確認された。これらの細胞集団は、再度のTACC3 siRNAのトランスフェクションにおいても増殖が確認されている。
樹立されたオルガノイドに対するレンチウイルスの感染法を確立した。EGFPを発現するレンチレンチウイルスベクターを作製、オルガノイドを個々の細胞に消化した後、サイトスピンを用いる事により、効率良く感染した。さらに、薬剤処理を行い非感染細胞を排除することにより、継続してマーカー遺伝子を発現するオルガノイドの取得が可能となった。
Tacc3S/S, ApcS/S, R26CreERTおよびTacc3W/W, ApcS/S, CreERT2の遺伝子型をもつマウス消化管から樹立したオルガノイドを用いて、マイクロアレイによる網羅的発現遺伝子解析を行った。その結果、Apc遺伝子の単独欠損では、Lgr5などの腸管幹細胞マーカーの亢進が観察された。さらにTacc3を欠損させると、発現亢進が抑制される事が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸がん細胞を用いたshRNAスクリーニングでは、候補クローンが取得されており、予定通り進行している。
オルガノイドに対するレンチウイルス感染法の最適化を行ったが、8000クローンからなるウイルスプールを均等かつ効率よく幹細胞に感染するために、更なる最適化が必要である。
遺伝子改変マウスから樹立されたオルガノイドは、in vitroでタモキシフェンを作用させることにより、効率的かつ迅速に遺伝子改変を行う事ができること、さらにApc遺伝子を破壊する事により、消化管幹細胞マーカーが亢進する事が明らかになり、消化管を構成する多様な細胞集団の増殖と分化に関して詳細な解析が可能となり、順調に推移している。

今後の研究の推進方策

大腸がん細胞を用いたshRNAスクリーニングでは、Tacc3枯渇に対する反応性の特異性の検討、shRNAクローンの同定等を行い、Tacc3抑制により生じる増殖抑制回避機構を明らかにする。
オルガノイドを用いたスクリーニングでは、ウイルスプールの感染法をさらに最適化し、スクリーニングを行う。
遺伝子改変マウスから樹立されたオルガノイドを用いた解析では、qPCR等によるvalidationとTacc3欠損による消化管幹細胞の多様性および分化過程への変化を明らかにする。さらに、消化管幹細胞特異的な遺伝子改変を行い、オルガノイドで明らかにされたTacc3の機能を動物個体レベルで検証、新たな分子治療標的の開発を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Novel retinoblastoma mutation abrogating the interaction to E2F2/3, but not E2F1, led to selective suppression of thyroid tumors.2014

    • 著者名/発表者名
      1.Toki, H., Inoue, M., Minowa, O., Motegi, H., Saiki, Y., Wakana, S., Masuya, H., Gondo, Y., Shiroishi, T., Yao, R. & Noda, T.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 105 ページ: 1360-1368

    • DOI

      10.1111/cas.12495.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 消化管腫瘍形成におけるAPC1309の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      高野洋、八尾良司、野田哲生
    • 学会等名
      第73回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-27
  • [学会発表] 哺乳動物細胞の低用量ストレス応答におけるヒストンシャペロンHIRAの機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      長垣良和、中條萌絵子、樽本雄介、八尾良司、石川冬木
    • 学会等名
      第73回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-27
  • [学会発表] オルガノイドを用いたTACC3阻害による消化管腫瘍抑制機構の解析2014

    • 著者名/発表者名
      小柳潤、八尾良司、野田哲生
    • 学会等名
      第73回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-27
  • [学会発表] TACC3を標的とした低分子化合物の開発と応用2014

    • 著者名/発表者名
      八尾良司、長田裕之、吉田稔、野田哲生
    • 学会等名
      第73回日本癌学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-09-27

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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