発展の著しい合成生物学や応用微生物学は、「生体内の必要な場所で、必要な時に、必要な量だけ薬物を作る」究極のDDS実現のための道標の一つを示している。中でも、遺伝子改変による機能化が容易な細菌類に、抗癌タンパク産生システムをパッケージングした治療用細菌マシンは有望な戦略の一つである。本研究では、そうした試みの端緒として、グラム陽性菌B. choshinensisのTNF-alpha産生改変株を作製し、TNF-alpha感受性腫瘍細胞株L929との共培養実験やL929移植ヌードマウスにおける腫瘍増殖抑制実験により、その抗がん効果を示した。
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