JmjCドメインを持つタンパク質はヒストン脱メチル化酵素として働き、遺伝子発現を制御することが知られている。本研究では、これらのタンパク質が単一のヒストン修飾にのみ関与するのではなく、複数の機構を介して働くという仮説のもとに研究を行った。その結果、ヒストン脱メチル化酵素が酵素活性とは独立して遺伝子発現を制御する新規の機構を解明した。ヒストン脱メチル化酵素は細胞内において種々のタンパク質群と結合する足場タンパクとして働き、ヒストンのアセチル化という異なるヒストンマークを変化させることや、クロマチン構造の変化をひきおこすことで遺伝子発現を変化させるという新たな転写制御機構の概念を提示した。
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