本年度は、研究実施計画に記した計画、自己脱落可能なヒト人工染色体ベクター(tetO-HAC)への初期化因子・iPS 細胞形成確認マーカー遺伝子のプロモーター+GFP 遺伝子・神経幹細胞マーカー遺伝子のプロモーター+RFP 遺伝子の搭載、について計画通りに実行した。 詳細な内容については、若干の変更を加えた。具体的には、遺伝子クローンの入手方法、ベクターの構築方法を考慮した結果、1. iPS 細胞形成確認マーカー遺伝子プロモーターをSSEA-1遺伝子プロモーターからOct4遺伝子プロモーターへ変更、2. Oct4遺伝子プロモーターとつなげる遺伝子をGFP(Green Fluorescence Protein)遺伝子からRFP(Red Fluorescence Protein)遺伝子へ変更、3. Nestin 遺伝子プロモーター(神経幹細胞マーカー遺伝子のプロモーター)につなげる遺伝子を、RFP遺伝子からGFP遺伝子へ変更、4. tetO-HAC保有細胞としてCHO(Chinese Hamster Ovary)細胞からHT1080細胞へ変更を行った。 Crelox部位特異的組換え反応により、tetO-HACへ、Oct4 遺伝子プロモーター+RFP 遺伝子を搭載後、Nestin 遺伝子プロモーター+GFP遺伝子を搭載した。両遺伝子を搭載したtetO-HACをFISH解析によって確認したところ、細胞中にホストの染色体とは独立しており、安定に保たれている事を確認した。
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