研究課題
前年度に引き続き、変異型サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、サイクリンD、テロメラーゼ逆転写酵素サブユニット(TERT)を導入したアカウミガメの細胞の連続継代実験を実施している。現在まで継代数は30を超え、2年を超える長期にわたって細胞分裂が可能になることが明らかになった。既に野生型の細胞は細胞分裂を停止している。3つの遺伝子を導入することで実質的に無限分裂を誘導できると考えられた。また哺乳動物であるが、絶滅危惧種のひとつであり、スイギュウの一種、ローランドアノアの初代培養細胞から変異型サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、サイクリンD、テロメラーゼ逆転写酵素サブユニット(TERT)を導入した無限分裂細胞を得た。本細胞は元のローランドアノアの染色体パターンを維持し、元の細胞の性質を保持していると考えられた。本細胞において連続パッセージを行い、変異型サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、サイクリンDを入れたK4D細胞ではある一定の回数を継代できるがテロメラーゼ活性がないために継代途中で細胞分裂が停止すること、変異型サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、サイクリンD、テロメラーゼ逆転写酵素サブユニット(TERT)を導入したK4DTでは無限分裂できることを明らかにした。またローランドアノア由来のK4DT細胞は元の染色体パターンを維持していることを明らかにした。またこれらのローランドアノア由来の研究成果を国際学術雑誌であるCytotechnologyへ掲載された。
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Cytotechnology
巻: 68 ページ: 1937-1947
10.1007/s10616-016-0004-0