本研究は、新しい哺乳動物体細胞の保存技術として凍結乾燥に着目し、基礎的研究を実施した。凍結乾燥前と比較して凍結乾燥後のウシ線維芽細胞では、タンパク質およびγ-チューブリン数が減少した。さらに、凍結乾燥後の細胞にはミトコンドリア膜電位が認められなかった。細胞培養中のトレハロースおよびエピガロカテキンガレート (EGCG) の添加は、細胞膜および細胞小器官の保護に対して効果がないと考えられた。しかし、トレハロースおよびEGCG添加によってFD後、ガラス転移点よりも高い温度で保存しても核の損傷が抑制され、室温での保存の可能性が示唆された。
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