研究課題
本研究では、申請者の独自の発見「Rif1はクロマチンループ構造の形成を介して複製タイミング機能ドメインを規定する」に基づき、Rif1を用いてクロマチンループ構造の人為的改変を介して核内構造を操作し、細胞の機能改変を誘導する新規技法を開発する。Rif1を用いて、染色体の核内配置や高次構築を操作するために、1) 発現レベルを変動することによりゲノム全体のクロマチンループ構造を操作する、2) 部位特異的にクロマチンループを形成し、局所的に染色体機能ドメインを操作する、の二つのアプローチをとる。1)については昨年度、分裂酵母でRif1を増産すると核内染色体構造の異常が誘導され、著しい増殖阻害が観察される事を見出した。本年はこの増殖阻害は脱リン酸酵素PP1の結合には依存しないことを見出した。また生育温度が阻害効果に大きな影響を及ぼすことを発見した(高温37°Cでは阻害されない)。2)Rif1タンパク質の機能ドメインを解析した結果C端271aaでG4構造に結合すること、一方N端のHEAT Repeat構造も親和性の高い結合に必要であることが明らかとなった。3)C端近傍の保存配列をアラニン置換することによりG4結合が喪失した。4)転写によりRif1が結合しうるグアニン4重鎖構造が形成されることを発見した。これらの知見から、増産しても増殖阻害しないがG4結合能を有し、染色体の核内配置を変化させうる変異体の開発、G4形成配列を特定の部位に導入することによる染色体機能の変換、あるいはG4構造近傍の転写を制御することによりRif1結合を制御し、染色体高次構造の改変を行う などの新しいアプローチを実行している。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 11件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 図書 (2件)
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