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2013 年度 実施状況報告書

哺乳類超巨大膜蛋白質発現系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 25650020
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

小川 治夫  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (40292726)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード大量発現 / 膜蛋白質 / アデノウィルス / 超巨大蛋白質
研究概要

変異アデノウィルスに挿入可能な外来遺伝子のサイズを増やすため、E4遺伝子欠損の変異アデノウィルスベクター(AdEasy-2)を入手した。AdEasy-2から得られる変異ウィルスの増幅には、増幅に用いる細胞内でE4遺伝子の発現が必須となる。だがE4遺伝子は細胞に致死的なため、E4遺伝子の発現を必要に応じ誘導可能な細胞が必要になる。そこで、①E4遺伝子の発現を誘導可能な細胞(293 E4 pIX)を入手した。だが、実際にこの細胞を扱ってみると、衝撃等の刺激に対して容易にE4遺伝子の発現誘導を起こし、細胞が容易に死滅してしまうことが明らかになった。ウィルスの大量増幅の際には大量の細胞を短時間で取り扱う必要があることから、実際の使用には不向きである可能性がある。そこで別の可能性として、②E4遺伝子を入手し、E4遺伝子の発現を誘導可能な細胞を構築することも試みた。誘導無しで発現するE4遺伝子を最小限に抑えるために、Flp-In T-RExシステムを用いた安定株の作成を試みた。だが、自然に発現するE4遺伝子の量は想定以上に多く、安定株作成中に細胞が死滅してしまった。そこで、現在は③E4遺伝子の上流にCMVプロモーターを持つように設計された挿入遺伝子を持つバキュロウィルスの構築を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

E4遺伝子の発現産物の培養細胞に対する毒性が想定以上に強く、E4遺伝子の発現可能な細胞の構築に手間取ってしまった。だが、E4遺伝子の上流にCMVプロモーターを持つように設計された挿入遺伝子を持つバキュロウィルスの構築により、この問題は解決されると考えられる。実際、同様のバキュロウィルスでSERCA1aを発現するものを作成し、SERCA1aの哺乳類培養細胞での発現を確認しているので、E4 遺伝子に関しても問題無く遂行可能であると考えられる。

今後の研究の推進方策

E4遺伝子の上流にCMVプロモーターを持つように設計された挿入遺伝子を持つバキュロウィルスの構築を早急に行なう。同様のウィルスでSERCA1aを発現するものを作成したが、これを用いて哺乳類培養細胞でのSERCA1aの発現を確認しているので、特に問題は無いと思われる。E4を発現するバキュロウィルスの作成に成功したならば、AdEasy-2システムに組み込んだ目的蛋白質の発現実験を行なう。発現に成功したならば精製を行い、活性等を調べる予定である。

次年度の研究費の使用計画

本研究で一番経費のかかる部分の1つは、培養細胞を用いたウィルスの大量精製・蛋白質の大量発現であるが、これらをまだ行っていないため。
平成26年度には発現系が確立されると考えられる。次年度使用額平成26年4月年度の予算と合わせ、培養細胞を用いたウィルスの大量精製・蛋白質の大量発現のために用いる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of a Na+-bound Na+,K+-ATPase preceding the E1P state2013

    • 著者名/発表者名
      Kanai, R., Ogawa, H., Bilsen, B., Cornelius, F., Toyoshima, C.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 502 ページ: 201-206

    • DOI

      10.1038/nature12578

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structures of the calcium pump and sarcolipin in the Mg2+-bound E1 state2013

    • 著者名/発表者名
      Toyoshima, C., Iwasawa, S., Ogawa, H., Hirata, A., Tsueda, J., Inesi, G.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 495 ページ: 260-264

    • DOI

      10.1038/nature11899

    • 査読あり
  • [学会発表] Extensive analysis on the interaction between sarcolipin and Ca2+-ATPase2013

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, H., Iwasawa, S., Hirata, A., Tsueda, J., Toyoshima, C.
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [学会発表] Large production of mammalian membrane proteins toward determination of three-dimensional structures2013

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, H., Hirata, A., Tsueda, J., Inesi, G., Toyoshima, C.
    • 学会等名
      The 2nd HD Physiology International Symposium
    • 発表場所
      丸の内 My Plaza Hall
    • 年月日
      20130628-20130629

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公開日: 2015-05-28  

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