筋小胞体上に存在するリアノジン受容体とその安定化蛋白質FKBP12との相互作用に着目し、この複合体によりカルシウム放出制御機構をIn-cell NMR法で明らかにすることを目指した。しかし、標的蛋白質を筋芽細胞へ導入する方法が確立できなかったため、当初の研究計画を変更し、ミトコンドリアのカルシウムの取り込みに関わる脱共役分子UCP3とその制御因子HAX-1に着目した構造生物学的研究を行った。一連の研究より、HAX-1のC末端側の領域は膜結合性を示し、カルシウムと結合することにより部分的なフォールディングが誘起され、UCP3と結合可能となることが明らかになった。
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