研究課題/領域番号 |
25650035
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
表 弘志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10273707)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | トランスポーター / 再構成リポソーム / SPA法 / 活性測定 |
研究概要 |
SPA(Scintillater Proximity Assay)法はシンチレーターを内包したビーズを用いた放射線測定法で、ビーズ近傍(~5μm)の放射性物質量を高感度で測定する事ができる。 この研究では、SPA法をトランスポーターに応用する。SPA ビーズはビーズ近傍の放射性物質からでた放射線のみを検出するため、リポソーム内に取り込まれた基質の放射能のみを測定できる。これにより反応液を混ぜるだけで輸送活性の測定が可能である。 本年度はSPAビーズと再構成リポソームの結合条件を中心に解析した。SPAビーズとしてプラスチック製のPVAビーズおよび、シリカ素材のYsiビーズを選択した。また、これらの樹脂ビーズはそれぞれ、銅イオンキレートタイプとストレプトアビジンコーティングタイプを用いた。銅イオンキレートタイプはタンパク質のHis-tagを介して、ストレプトアビジンタイプはビオチン化タンパク質を介してビーズに結合させた。 tag付きタンパク質としてHis-tagを付加したVNUT(小胞型ヌクレオチドトランスポーター)、MATE(Multidrug And Toxic compound Extrusion)をビオチン化タンパク質として、大腸菌FoF1-ATPaseのβサブユニットのN末端領域にビオチン化配列を組み込んだものを大量発現、精製した。 その結果、0.2 mgの銅イオンキレートビーズに約1μgのMATEまたはVNUT再構成リポソームが結合した。また、ストレプトアビジンビーズでは、ビオチン化FoF1-ATPaseとともにMATE1をリポソームに再構成し、MATEに対する抗体を用いてウェスタンブロットで解析した。その結果、0.3mgのビーズに約3μgのリポソームが結合した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種タグ付きタンパク質の発現系を構築し、大量発現、精製した。これらのタンパク質をリポソームに再構成し、SPAビーズヘの結合条件を検討した。これらは企画段階の予定どおりである。
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今後の研究の推進方策 |
1. ビーズへのリポソーム結合条件の最適化をはかる。 2. 再構成リポソームを結合したビーズを用いて、輸送活性を測定。 3. 再構成リポソームを結合したビーズを用いて、リガンド結合活性を測定。 4. PEG等を用いて、リポソームの安定化条件を検討する。 研究費はトランスポータータンパク質発現のための培地、タンパク質精製用の界面活性剤および、輸送・リガンド結合測定用のアイソトープの購入に用いる。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬の使用量が予想より少なかった。 トランスポータータンパク質発現のための培地購入に用いる。
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