研究課題
【背景】 トランスポーターによる物質輸送は栄養素の取り込み、薬物の体内濃度調節、神経伝達など生命を維持するために不可欠な働きを担っている。このため、トランスポーター機能の解析は基礎生物学、医学、薬学上重要な課題となっている。これまで輸送活性の測定はトランスポーターのcDNAを導入した培養細胞が多く用いられてきたが、夾雑する他のトランスポーターによる影響など多くの問題を抱えている。また、精製タンパク質による方法も最近では用いられるようになってきた。この方法では、昆虫細胞に大量発現させたトランスポーターを精製・リポソームに再構成し、これにRI標識した基質を取り込ませ、ゲル濾過でリポソームを分離する。しかし、この方法はゲル濾過で分離するため、煩雑で熟練を要する問題を抱えていた。【目的】この様な背景をもとに、これまでの問題を解決する新しいトランスポーター活性測定法を着想した(SPA法)。この方法はシンチレーターを内包したビーズに精製トランスポーターを埋め込んだリポソームを吸着させる事で、リポソームを分離する事なく測定できる画期的なものである。本研究ではSPA法を用いた新しい、輸送活性測定システムを開発する事を目的とした。【結果】ビオチン化タグ付き膜タンパク質を介してストレプトアビジンSPAビーズに結合したリポソームを作製する事ができた。バックグラウンドが高いものの、このリポソームへのATPの結合や基質の輸送が見られた。
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