プロサイモシンα(ProTα)は多機能性の核タンパク質であり、神経細胞からストレス誘発性に細胞外遊離する。細胞外ProTαは、自然免疫受容体であるTLR4/MD2と新規に同定した細胞膜タンパク質を介する受容体機構を有すると共に、ある種の細胞においては再度核内に移行する。この核シャトル機構を有するレシピエント細胞において、ProTα処置により神経保護性のサイトカインの発現上昇が認められたことから、細胞コミュニティの秩序維持に寄与することが推測される。脳梗塞などのストレス負荷時におけるProTαの脳保護機構には、受容体シグナルと核シャトルによる直接的エピゲノム性遺伝子発現制御が重要だと考えられる。
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