生体内では、レドックス制御に関連する酵素が活性酸素種による酸化ストレスから細胞を守っている。特にタンパク質ジスルフィドイソメラーゼのシャペロン活性は重要であり、同活性の低下・消失が原因の変性タンパク質の蓄積がアルツハイマー病の一因として報告されている。 本研究では、PDIの活性発現に必須な低分子、グルタチオン中のシステインを21番目のアミノ酸であるセレノシステインに変換したセレノグルタチオンを用い、①PDIの活性促進および②変性タンパク質を直接修正する効果の向上を示す結果を得た。得られた成果は、不溶性タンパクの蓄積が原因の疾患の予防・治療に応用できると期待される。
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