我々は、最近目的の糖タンパク質のうち、特定の糖を持つタンパク質のみを可視化する新技術の開発に成功した。そこで本研究では、この新技術を利用してフコースという単糖の修飾に依存的な極性輸送のメカニズム解明を目指した。基質となるアルファ-フェトプロテイン(AFP)の発現系を確立し、また肝細胞由来のHepG2細胞で極性輸送をモニターできることを確認したものの、アジド修飾糖の細胞への取り込みに問題があり、AFPの極性輸送のアッセイを確立するにはいたらなかった。今後この実験系がうまく動くためにはtransfectionの効率の向上、または修飾糖の取り込み効率の増加に工夫が必要である。
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