生体内では、金ナノ粒子を起点として抗ハプテン抗体の産生が確認された。本研究から総合的に判断すると、低分子化合物は、金ナノ粒子とともに免疫原としてマクロファージや樹状細胞によって貪食され、還元状態にある細胞質において細胞内消化を経て、初期のエンドソーム、マルチベシクルボディーを経由して、エキソソームに内包される形で細胞外へと放出され、B細胞を活性化すると考えられる。樹状細胞から放出されるエキソソームにMHC分子は確認されているが、マクロファージからのエキソソームには、これまでのところ、MHC分子は検出されていない。免疫原情報を送達するエキソソームのB細胞に対する生理的役割と機能の解明が待たれる。
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