研究実績の概要 |
今年度はGFPを用いても高感度でイメージングできることを確認するため,がん組織形成率データの信頼性を向上させるために検体数を増やし再検討を行った.KPL4-EB1-GFP, U87MG, MDA-MB-231 (WT), MDA-MB-231-GFP-tubulin の4株の他にMDA-MB-231-EB1-GFPを加え、計5株における接種細胞数の検討を行った.その結果,ある一定以上の接種細胞数があれば高確率(100%)でゼノグラフトモデルが作製できるという結果が得られ,データの信頼性を確認すことができた. また,蛍光ナノ粒子(量子ドット)を用いて単一粒子の非侵襲イメージングを行ったが,単一粒子では観察することができないが,多粒子であれば,観察が可能であることが明らかとなった.ナノ粒子の蛍光を元に細胞の輪郭を同定できた.さらに,GFP発現細胞MDA-MB-231-GFP-tubulin細胞を用い,耳介内にがん組織作製し,スピンディスクタイプの共焦点顕微鏡により非侵襲下で観察した.装置をGFPを高感度観察するために,いくつかの改良を行った.まず,レーザーパワーを上げ,かつ照射領域を絞ることで,GFPであっても高感度で観察することが可能となった.背景光を減ずるためにより狭いバンドパスフィルターを用いた.細胞分裂直後と思われるGFP発現細胞を捉えることに成功した.さらにGFP発現がん組織全域(約2mm×約2mm×0.15mm)の3次元像を非侵襲にて捉えることにも成功した.
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