研究課題
挑戦的萌芽研究
細胞接着領域の再現性良い作成条件の探索では、マイクロコンタクトプリント法のスタンプの作製が遅れたため、代案である物理マスクとプラズマを用いる方法を検討した。プラズマにより親水化のパターン処理した後、細胞接着タンパク質のビトロネクチンをコートすれば、細胞接着のパターンができると予想して実験を進めたが、予想に反して細胞のパターンができなかった。そこで、細胞接着せず疎水性フラグメントをもつγグロブリンとビトロネクチン混ぜてコートした時、にヒトiPS細胞の接着パターンができることが明らかになった。この手法の良い点は、細かいパターンが作り易いことに有る。また、自遊空間(細胞が自由に動くことができる状態)での細胞運動を調べる実験も平行に進めた。型の中での細胞運動を観察するためのポジティブコントロール実験となる。生細胞の核染色色素のHoechstを用いて細胞の核を染め、タイムラプス観察した。まず、マウス繊維芽細胞(MEF)と比べた場合、ヒトiPS細胞は数分の1以下の速さで運動していることが明らかになった。また、非常に興味深いことに、同じヒトiPS細胞でも単一細胞が孤立している場合と、集団を形成して平面コロニーを形成している場合とでは、大きく運動性が違う事が明らかになった。この発見は、今回の研究を進める上で大きな発見となる。
2: おおむね順調に進展している
細胞接着領域の再現性良い作成条件の探索では、当初使う予定だったマイクロコンタクトプリント法が遅れていたため、代案を進めたところ、予想外にうまく実験が進み、論う文発表できた。また、自遊空間での細胞運動を調べる実験も平行に進め、ほぼ予定の実験が遂行できた。以上の事から概ね順調に進展しているとの自己評価をした。
型の中での細胞運動を進める。まず、ノコギリ型のリザーバー付きの鋳型を特注する。これを用いて作製した微細パターンのパラメータを様々に変え、細胞の運動方向を観察する予定。
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