本研究の目標は,タンパク質・リガンド結合系を対象に,データマイニング法により定義された水和水の可視化(現象論)と,溶媒和自由エネルギー計算による水和効果の見積り(定量化)である. MDシミュレーションの出力データから混合分布モデル(GMM)によって水の振る舞いをデータマイニングする系を確立した.これによりリガンド結合タンパク質水和自由エネルギーと水の振る舞いの強い相関を検知し,ある程度の予測を可能とした.次に原子の多体相互作用を考慮した記述子を設計し,一般線型モデルとクラスタリングにより機械学習・予測を行った.小さなサイズの分子系に適用したところ,より詳細なエネルギーの予測が可能となった.
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